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国際名誉会長

国際名誉会長はブルーノ ボツェット!

Raoul Servais
この度、第15回広島国際アニメーションフェスティバルの国際名誉会長としてお招きいただきましたことを大変光栄に思います。

アニメーションフェスティバルは私の人生において常に重要な役割を果たしてきました。といいますのも、私がこのキャリアを始めることが出来たのはまさにフェスティバルのお蔭だからです。それぞれのフェスティバルは創造力の世界への扉を開いてくれる素晴らしい機会であり、また、芸術家たちが互いに直接交流し合い、芸術の発展に非常にアクティブに関与することを可能にしてくれる場であるのです。

中でも広島国際アニメーションフェスティバルは、日本のアニメーション界と世界との重要なつながりを築いてこられました。日本のアニメーション界はその驚くべき創造力によって、これまでにないほど非常に独創的かつ革新的な作品の数々を世に送り出しています。

まず、友人の久里洋二氏は、私の人生においてアニメーションの伝統的規範を強烈に打ち破ってくれました。そして数多くの素晴らしい監督やアニメーターたちのお名前はここに挙げきれません。さらに類稀な存在である宮崎駿氏に至っては、個人的にはアニメーション界のフェデリコ フェリーニだと思っており、その想像力や詩心、そして息をのむほど美しい映像や物語によって我々を常に驚かせ続けています。

2014年、皆様と共に今回のフェスティバルに参加できますことは、非常に光栄であるだけでなく、喜ばしい事でもあります。今年もまた新しい感動や興奮を与えてくれる新たな才能が発掘されますことを願っております。HIROSHIMA 2014が最大の成功を収められますようお祈り致します。

Raoul S
国際名誉会長
ブルーノ ボツェット



Profile

ブルーノ ボツェット Bruno Bozzetto

フィルム・ディレクター

1938年ミラノ生まれ。ブルーノ ボツェットが初の短編アニメーション『Tapum, the history of weapons/タプム、武器の歴史』を制作したのは1958年、20歳の時に遡る。この作品はカンヌ国際映画祭にて上映され観客のみならず批評家を魅了すると共にノーマン マクラレンやジョン ハラスとの出会いを導き、非常に有名なイギリスの映画プロデューサーであったハラスから共同制作の機会を得ることとなる。
1960年、ブルーノ ボツェット・フィルム・カンパニーをミラノに設立し、映画、コマーシャル、テレビ番組の制作を始め、同年、ボツェット初にして不朽のキャラクター、ミスター ロッシが生み出される。今日でも大変人気があるミスター ロッシは、社会にありがちな問題に遭遇する中流階級の男として、テレビや劇場向けの短編7作品、長編3作品に登場し、ボツェットの分身だとも言われている。
1967年、ボツェットは、イタリアにおける20年ぶりの長編アニメーションとなった『West and Soda/ウェスト&ソーダ』を公開し、続いて二つの長編『Vip my brother superman/ Vip 僕の兄弟はスーパーマン』(1968年)そして『Allegro non Troppo/ネオ ファンタジア』(1976年)を公開。『ネオ ファンタジア』は、ボツェットに大きな影響を与えたウォルト ディズニーの傑作『ファンタジア』のイタリア版であると評されている。

ボツェットは実写映画の制作も好み、『Under the Chinese Restaurant/タイム スプラッシュ ガール/楽園から来た裸足の天使』(1987年)、『Oppio per oppio』、『The Cabin』、『Spider』そして『Sandwich』シリーズなどを公開。また、自然科学分野にも興味を持ち続け、“科学的に複雑な概念もアニメーションなら明快に描くことができる”と常に述べている。著名な科学ジャーナリスト、ピエロ アンジェラと共に科学テレビ番組『QUARK』にて放映された約100作品もの短編作品の制作に成功したのも偶然ではない。

これまでに、ボツェットは40作品以上もの短編アニメーションを制作し、今もなお世界中で配給、上映、また、放映されている。これらの作品は高く評価され、4度のイタリア・シルバーリボン賞、10のキャリア・アワード等、数々の賞に輝き、また、『Mister Tao/ミスター タオ』(1988年)はベルリン国際映画祭にて金熊賞受賞、『Grasshoppers/バッタ』(1990年)は1991年アカデミー賞にノミネートされた。
1995年の『Help!』は、ハンナ&バーベラのTV番組『What a cartoon!』の企画として制作された。
当時はボツェットがイタリア放送協会(RAI)やスイステレビ(RTSI) 向けに制作した多くのテレビシリーズの全盛期でもあり、中でも、『Stripy』、『Lilliput-put』、『Mr Hiccup』などが人気を博した。

2000年頃より、ボツェットは2Dコンピュータアニメーションに専念し、多数の短編作品をインターネット向けに制作。最初の2D作品『Europe and Italy』(1999年)の世界的な大成功に続き、同じテクニックにより、『Yes & No』、『The World’s history for those who are in a hurry』、『To bit or not to bit』、『Adam』、『Olympics』、『Otto in 17』、『Life』、『Neuro』そして『Sex ‘n’ Fun』を制作している。

ボツェット作品の大規模な展覧会が、ミラノ、ベルガモ、トリノにて4回開催される。
また、2007年、ベルガモ大学より『舞台藝術理論、技術及び経営(Theory, techniques and management of all performing arts)』の分野で名誉学位を授与される。

常にテクノロジーの可能性に惹かれ、3Dアニメーションの世界にも魅了されたボツェットは、自身初の3D短編アニメーション『Looo/ルー』(2004年)を監督し、2005年、イタリア・シルバーリボン賞を受賞。この作品はピクサーへの真のオマージュである。
また、新たな制作会社 スタジオ・ボツェット&Co.の制作チームと共に、2Dおよび3Dアニメーションの制作に取り組み、2008年、世界的配給用としてディズニー・チャンネルから委託を受けた2Dシリーズ『Bruno the great』を完成。同年、教育、文化、エンタテイメント分野における熱心な取り組みが評価され、イタリア共和国大統領ジョルジョ ナポリターノより直にヴィットリオ・デ・シーカ・キャリア・アワードが授与された。

ボツェットの制作への情熱は今日ますます強く、短編アニメーション『Rapsodeus/ラプソディ』(2011年)は、『ネオ ファンタジア』の続編と高く評され、リストのハンガリー狂詩曲第2番にのせて人類の無意味な戦争を批判する。
2012年、ボツェットはYouTubeと提携し、自身の公式チャンネルを制作。インターネットが、これまでの伝統的なメディア同様、ボツェットの最新作品を発信する主要な役割を担うこととなる新しい時代の幕開けである。
2013年、引き続きユーモア溢れる短編作品を制作し、テレビシリーズ『Tip the mouse』をはじめとするさまざまなプロジェクトでスタジオ・ボツェット&Co.を支えている。
この1年間、ボツェットは2つの重要な表彰を受けた。一つは、アニメーション界への長年の功績を称える“ASIFA 賞 2012”であり、2013年6月、アヌシーで授与。もう一つは、2013年秋、サンフランシスコのウォルト ディズニー・ファミリー・ミュージアムでの展覧会“ブルーノ ボツェット:アニメーション、マエストロ”が始まったことである。主に『ネオ ファンタジア』の原画等を展示するこの展覧会は、2014年3月17日まで開催された。
今日、ボツェットの全ての長編作品と優れた短編アニメーション作品の一部は、デジタル修復されたDVD版で市場に出ている。

公式サイト: www.bozzetto.com