国際選考委員
イヴァ・チーリッチ Iva Ćirić
アニメーター、イラストレーター
セルビア
1983年生まれ。ベオグラード芸術大学応用芸術学部グラフィック学科を卒業。イヴァ・チーリッチは、学生時代からアニメーションに関わり始める。これまでに“The Little House” (2003)、 “Princess on The Wall ”(2007) そして“Monuments ”(2010) と3作品のアニメーションを制作しており、特に“Monuments”は9つの賞を受賞。彼女の作品は数多くの国際映画祭で上映されており、エテューダ&アニマ(ポーランド)、ザグレブ(クロアチア)、アニマテカ(スロヴェニア)、広島(日本)、モンストラ(ポルトガル)、ピッコロ(イタリア)、バルカニマ(セルビア)、キンメラ(イタリア)、ゴールデン・ナイト(ロシア)などが含まれる。
2005年よりASIFA会員であり、またベオグラードのバルカニマ映画祭運営委員会の一員である。
2009年の卒業後もベオグラード芸術大学学際的大学院で研究を続け、現在は最終学年で、デジタルアートの博士号取得の準備を進めている。学業の傍らフリーランスのイラストレーター、アニメーターとして活躍しているほか、2011年秋から応用芸術学部の学生アシスタントも務めている。
メアリー・ココル Mary Kocol
アーティスト、インディペンデント・フィルムメーカー
アメリカ
メアリー・ココルはファインアートフォトグラファーでありアニメーターである。写真を用いた一連の16mm短編フォト・アニメーションは世界中の映画祭で上映されている。特に、『父の物語』は、2000年の第8回広島国際アニメーションフェスティバルにて審査員特別賞を受賞した他、スペイン、ドイツ、アメリカで上映され、最近では第54回ライプツィヒ国際ドキュメンタリー・アニメーション映画祭でも公式上映されている。彼女のアニメーション作品では、コラージュ様式によりスチル写真に生命を吹き込み、過去を振り返る家族の日常の時間をとらえたものが多い。彼女は、ストーリーテリングやビジュアル・ポエトリーの芸術的表現の一つとしてのアニメーションに興味を持っている。
コネティカット州のハートフォードに生まれたメアリーは、コネティカット大学で学んだ後、ロードアイランド・デザイン学校(RISD)でファインアート修士号を写真で取得。また、RISDでは、写真の論文に取り組む中でフィルム/アニメーション/ビデオ学部にも飛び込み、世界的に著名なイボンヌ・アンデルセンとエイミー・クラヴィッツの両教授にアニメーションを学ぶ。彼女がアニメーション芸術に親しみ、その審美眼を磨き始めたのはこの頃からである。
メアリーは現在、マサチューセッツ州ボストンに在住し、芸術作品、写真やブックアートなどの制作活動に従事する一方、エッセイや自叙伝の執筆を行い、また、RISD等でアニメーションを教えている。2000年、サンダンス映画祭にてプレミア上映された長編自主作品“Could Be Worse“のために一連のアニメーションを制作。また、マサチューセッツ州ケンブリッジにあるハーバード・スミソニアン天体物理学センターのサイエンス・メディア・グループでは、アニメーターとして勤めた。
メアリーは、マサチューセッツ・メディア・フェローシップやLEF 財団から奨学金を受け、特にソマーヴィル・アーツ・カウンシルからは写真とアニメーション両方の分野で様々な助成を受けている。1993年には、写真撮影でグッゲンハイム奨学金を受けた。彼女の写真は、ニューヨーク近代美術館、ロサンゼルスのゲティ美術館、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館等、多数の美術館で永久コレクションとして選定されている。マサチューセッツ州ボストンでは、Gallery NAGAが代表して彼女の作品を扱っている。
オリヴィエ・コッテ Olivier Cotte
アニメーション史家
フランス
1963年6月20日生まれ。オリヴィエ・コッテは青年時代にクラシック音楽、クラシックダンスそして芸術を学び、哲学の学位を取得した後、ファイン・アート・スクールおよびパリのソルボンヌスクールで学ぶ。在学中からアニメーションに関わり始め、"Mr Tivi" シリーズ(脚本/アシスタントディレクター、1984-85年)、"The Big Bang"(制作アシスタント、1986年)に携わった。1987年〜2002年、コンピュータ・アーティスト、ディレクター、FXスーパーバイザーとして、主にCMのデジタル画像、長編映画のFX(ロマン・ポランスキー、コスタ=ガヴラス、レオス・カラックスらの作品を含む)、TVジングル、特別編成番組などを専門とした。この間、広告700本以上、長編映画15本、企業1500社、IMAX映画1本、ステレオスコピック作品7本などに携わる。また、"Concerto pour une image"(1977年、当時14歳)から"Terra Incognita"(1995)まで、いくつかの自主短編作品の他、多くのコマーシャルや教育的作品を監督している。2002年以降、Gobelins School、Esag Penninghen,、European Animation Master Class (ドイツ) 、台湾フィルム・センター(台湾), Fundação Calouste Gulbenkian (ポルトガル), 中国伝媒大学(中国), Filmakademie (ドイツ)などでデジタル技術、アニメーション史と美学を教えており、Gobelins Schoolが制作したアヌシー国際アニメーション映画祭のオープニング映像の美術・技術監督でもある。
コッテのアニメーションに関する著作としては、世界的な辞典"Il était une fois le dessin animé"、デイビッド・アーリッヒおよびジョルジュ・シュヴィッツゲベルについての2つの論文、アカデミー賞受賞作品に関する著作『コマ撮りアニメーションの秘密 - オスカー獲得13作品の制作現場と舞台裏』、アフターエフェクトや映像制作の技術に関するもの等、12冊が出版されている。他にもボリヴォイ・ドヴニコヴィッチに関する論文やASIFA 50周年記念本等の共著がある。また、数多くのアニメーションおよび最新テクノロジー専門誌のほか、アニメーション映画祭のカタログ、DVDの特典にも執筆している。美術館や国際映画祭の特別プログラム制作も行っている。
コッテは、アヌシー、メクネス、CINANIMA、ザグレブ、SICAF、ANIMADRID、アニフェストなど、多くの映画祭で選考委員や審査員を務めており、歴代ベスト50のアニメーション作品を選定する特別委員も2度務めている。グラフィックノベル "Le futuriste"(2008)、"L'ultime défi de Sherlock Holmes" (2010)の脚本も担当している。
アンドレイ・クーレフ Andrey Koulev
ディレクター、脚本家、アーティスト
ブルガリア
1973年、ブルガリア共和国ソフィア生まれ。
教育:1991年、ソフィアのファインアーツ特別高校卒業。1997年、ブルガリア国立映画・演劇アカデミーを卒業し、TV・映画監督の修士号を取得。
役職:1992年より、クーレフ・フィルム・プロダクションに共同オーナーとして参加。1997年より、ブルガリア映画制作者連合会員。2011年より、ヴァルナ国際アニメーション映画祭の運営委員およびアートディレクター。
活動:1977年、Hristo Ganev脚本、Binka Zhelyazkova監督の"The Swimming Pool"に俳優として出演。2005年、ベルリンのベルリナーレ・タレント・キャンパスに参加。2006年、ドレスデンのPerspectives for Animated Films 2006および クロアチアのCakovicaでのアニメーション・マスタークラスに参加。2002・2003・2005・2006・2008年、モスクワで開催されたゴールデンフィッシュ国際児童映画祭で審査員を務める。2008年、ロシアのヤロスラブリで開催されたゴールデンフィッシュ国際児童映画祭でアニメーションのマスタークラスに参加。
Animated Films:
2011 "The Pianist" (7 min.) co-directed with Assia Kovanova (in production) - NFC, KFP
2009 "The Line" (4 min.) - animation - NFC, Attract Film
2008 "The River" - season 2 (7 series x 4 min) - BNT, Attract Film, Koulev Film Production ltd
2007 "The River" - season 1 (7 series x 4 min - BNT, Attract Film, Koulev Film Production ltd
2004 "Autumn" (1 min.), "Time" (1 min.), "Compass" (1 min.) - animation for the play
"The Cuckoo" - KFP - National Theatre "Ivan Vazov", Sofia
2006 "Poet and Pegasus 3" (4 min.) - NFC, Koulev Film Production ltd
2005 "Poet and Pegasus 2" (4 min.) - NFC, Koulev Film Production ltd
2003 "Poet and Pegasus 1" (4 min.) - NFC, Koulev Film Production ltd
1997 "Full Moon" (1 min.) - MTV "Minute Cinema"
1996 "Reflection" (5 min.) co-directed with Dimitar Kotsev - NFC, Koulev Film Production ltd
TV:
2007/8 "The River" - season 1, 2 (14 series x 4 min) - BNT, Attract Film, KFP
Since 2001 A series of animation TV spots and advertisings - "Commercial Bank - Varna", "Olympics For The Deaf, Sofia '91", "Evropa"- Insurance Company, the campaign "Anti-AIDS", "Orient Express", " Observer ", Nestle ect…
Feature Films:
2004 "The House" (27 min.) - NFC, BNT, Koulev Film Production ltd
水江 未来 Mirai Mizue
アニメーション作家
日本
1981年生まれ。多摩美術大学大学院グラフィックデザイン学科でアニメーションを学ぶ。「細胞」や「幾何学図形」をモチーフにした抽象アニメーション作品を多数制作し、主に国際映画祭を舞台に活動をしている。世界4大アニメーション映画祭(アヌシー・オタワ・広島・ザグレブ)すべてにノミネート経験があり、アニマドリード2009(スペイン)では、『DEVOUR DINNER』が準グランプリを受賞。また、第68回ヴェネチア映画祭オリゾンティ部門(2011)に『MODERN No.2』がノミネートされる。SICAF2010(韓国)の国際選考委員を務め、国内では第17回・学生CGコンテストの審査員を務める。『CALF』の設立・運営メンバーで、同レーベルから作品集DVDを発売。また、短編アニメーションの祭典『TOKYO ANIMA!』の実行委員も務める。依頼作品では、松本亨(Psysalia Psysalis Psyche)のミュージックビデオ『AND AND』や、NHK・Eテレ『シャキーン!』番組内の歌コーナー「ホンマツテントウ虫」を制作。山田悠介『ブレーキ』の表紙、小説すばるにて平山夢明の扉絵を担当するなど、イラストレーターとしても活動。日本アニメーション協会・理事。ASIFA日本支部・会員。
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