アニメーションって何? アニメーションって何?
1960年代、漫画映画という言葉だけだった頃、「アニメーション三人の会」(真鍋博、柳原良平と私)が結成され、アニメーションの上映会を開催。当時、第一線で活躍していた多くの漫画家、画家、イラストレーター、写真家、造形作家たちが集まり、話題になりました。
アニメーションの魅力とは何か。
漫画映画だけの時代から、すべての事がアニメーションになる面白さが拡大されていったのです。
まだ日本のアニメーション界が世界と交流のなかった時代、初めてアヌシー映画祭で私の作品『人間動物園』が特別審査委員賞を受賞し、アヌシーのことが知られるようになりました。そして、多くの日本のアニメーターが海外の映画祭に参加するようになり、日本でのアニメーション映画祭の実現をどれほど夢見たことか。
1985年、国際文化事業に熱心だった広島市長が、木下蓮三・小夜子夫妻の説得を理解し受け入れてくださり、初めて広島国際アニメーションフェスティバルが実現されたのです。私も参加して、広島市長に『11 PM』のアニメーションをお見せし、さらなる理解を求めたことは言うまでもありません。
第一回広島国際アニメーションフェスティバルから今回の第17回映画祭まで、長年の成功のもとで成長した映画祭は、世界でも高く認められています。
これからも長く続いて行くことを願っています。
国際名誉会長
クリ ヨウジ
クリ ヨウジ
1928年 | 福井県鯖江市に生まれる。 |
1956年 | 文化学院美術科卒業。 |
1958年 | 第四回文芸春秋漫画賞を受賞。二科展で特選。 |
1960年 | “アニメーション3人の会”を真鍋博、柳原良平と共に結成、第一回草月アニメーション上映会を開催。 |
1962年 | アニメーション『人間動物園』が、アヌシー国際アニメーションフェスティバルで特別審査委員賞を受賞。 |
1963年 | アニメーション『人間動物園』が、ヴェネチア映画祭でサンマルコ獅子賞を受賞。 アニメーション『LOVE』が、ヴェネチア映画祭でサンマルコ獅子賞を受賞。 |
1964年 | アニメーション『LOVE』が、ドイツ・オーバーハウゼン映画祭で最優秀賞受賞。 同じく、ポーランド・クラコウ映画祭でゴールデン・ドラゴン賞受賞。 アニメーション『ザ・ボタン』が、スイス・ロカルノ映画祭で特別賞を受賞。 日本テレビで11PMに出演、18年間、週1回、アニメーション『ミニミニアニメ』を制作。 |
1965年 | フランス・アヌシー映画祭で審査員を務める。 アニメーション『花』が、カナダ・モントリオール映画祭で第2位。 アニメーション『AOS』が、ドイツ・オーバーハウゼン映画祭で最優秀賞受賞。 アニメーション『部屋』が、ヴェネチア映画祭でサンマルコ獅子賞を受賞。 アニメーション『あなたは何を考えているの?』が、フランス・トゥール映画祭で特別審査員賞を受賞。 |
1967年 | アニメーション『殺人狂時代』が、ドイツ・オーバーハウゼン映画祭で最優秀賞受賞、また、アメリカ・シカゴ映画祭でグランプリを受賞。 |
1969年 | スペイン・バルセロナ映画祭で特別賞を受賞。 |
1973年 | アニメーション『寄生虫の一夜』が、ドイツ・オーベルハウゼン映画祭で銀賞を受賞。 |
1974年 | オーストラリア・アデレード映画祭で、『久里洋二アニメ特集』で南十字賞を受賞。 アニメーション『POP』がユーゴスラビア・ザグレブ映画祭で第二位。 |
1977年 | アニメーション『MANGA』が、ポーランド・クラコウ映画祭でドラゴン・ブロンズ賞を受賞。 |
1982年 | 紺綬褒章を受章。 |
1988年 | 『久里洋二・スペース・コラージュ展』をパリ市立近代美術館で開催。 |
1992年 | 紫綬褒章を受章。 |
1993年 | フランス・アヌシー映画祭で再度審査員を務める。そして、永年アニメに貢献したことで、ASIFA賞を受賞。 その他、各画廊、各美術館で絵画のための個展を多数行なう。 |
1994年 | 『エロス・ユーモア人間図鑑展』を池田20世紀美術館で開催する。 |
1995年 | 『久里洋二の世界展』福井県鯖江市で開催する。 |
1998年 | ドイツ、シュツットガルトで久里洋二アニメ回顧特集と個展を開催。 |
2006年 | 東京国際アニメフェア2006で第2回特別功労賞を受賞。 |
2011年 | 旭日小綬章を受章。 |
2012年 | ザグレブ映画祭で特別功労賞を受賞。 |
2017年 | 『クレージーマンガ』に対し、日本漫画家協会賞 大賞を受賞。 福井新聞文化賞を受賞。 |
※国際アニメーションフィルム協会日本支部(ASIFA-Japan)会員