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広島国際アニメーションフェスティバル2008
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- 8/10(日)11:30〜 大ホール
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spcドニョ・ドネフ特集
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ドニョ・ドネフ氏を偲ぶ

去る2007年11月28日、ブルガリアのアニメーション業界を代表する存在であったドニョ・ドネフ氏が死去された。ドネフ氏は1929年に生まれ、1954年に 美術学校を卒業した後、トドル・ディノフ氏の招きにより1955年に、ソフィアの新しいアニメーションフィルムスタジオで仕事を始めた。アニメーション業界では、1956年にグラフィックアーティストとしてキャリアの第一歩を踏み出した。
監督としてのデビューは1961年で、類稀な才能を持つドネフ氏は1960年代の半ば頃から頭角を現し始めた。この時期にドネフ氏が製作した数々の素晴らしい作品は、他の著名なアーティストの作品と共に、ブルガリアのアニメーションの歴史を輝かしく飾っている。特に、ブルガリアのおとぎ話に基づいた1970年制作の「3バカトリオ」とその続編は、ブルガリアで最も広く人気を博したアニメーション作品の一つに数えられる。この物語に登場する3人の愉快なキャラクター達は、見る者を心の底から楽しませ、笑わせながらも人間性の闇の部分を鋭く描写している。
ドネフ氏の作品には小柄でちょこまかとユーモラスな歩き方をする親しみやすいキャラクターが 登場し、独自の世界観を形作っている。完璧なまでの構成力で、興味深く、愉快で、学ぶところの多いストーリーを非常に簡潔に見せる才能の持ち主だった。1967年制作の「シューターズ」を初め、「りこう者の村」(1972年)、「デ・ファクト」(1973年)、「カウザ・ペルドゥッタ」(1977年)などが国内外で数多くの賞に輝いた。 1985年には、ブルガリアで制作された初の長編アニメーション映画である「モンタギュー家とキャピレット家」を完成させた。また、ドネフ氏はブルガリア国立演劇・映画芸術アカデミーで長年教鞭を振るい、学生達から大変慕われた。イラストや風刺画の大家としても活躍、ドネフ氏が雑誌や新聞用に描いた数百点に上るイラストは、現在でも国内最高の作品に数えられる。仕事を離れては、魚釣りに出かけたり同僚と酒を酌み交わすほか、知人のユーモラスな似顔絵を描くことを楽しんだ。
去年9月、秋晴れの空の下、病院から退院して通りを歩いていたドネフ氏に、私は偶然出会った。身体はお疲れの様子だったが、生命力と情熱に満ちた目で、2008年から新しい映画のプロジェクトに取り掛かるのだと話しておられた。残念ながら我々はもう、ドネフ氏の最後の映画を見ることは出来ない。

ペンチョ・クンチェフ
ASIFA 副会長、ASIFAブルガリア支部会長

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