国際選考委員

キネ オーネ Kine Aune

Karen Kelly

映画・演劇ディレクター、プロデューサー
(ノルウェー)

プロフィール

1943年ノルウェー生まれ。ノルウェーの古い鉱山都市レーロスの山間に在住。映画や演劇学の教育を受け、織物やテキスタイル・デザインのスタジオを経営後、1975年より、映画スタジオ/制作会社KINEFILMを運営。テレビ、劇場、図書館及びデジタル配信向けのアニメーションやドキュメンタリー、情報作品、コマーシャル作品、また、舞台演劇も制作している。
また、ノルウェー北部(ロフォーテン諸島のカベルヴォーグ、そしてトロムソ)のアートや映画に関する教育プロジェクトのリーダーを務めるとともに、長年にわたり、4歳から14歳の若者を対象にした文化、演劇、映画、アニメーション等、様々なワークショップのプロジェクトリーダーも務めている。
KINEFILMの作品は、国内外の多くの映画祭にて公式上映されており、近年では国際ポエム・フェスティバルにおいても上映されている。また、彼女の作品や功績は数多くの国際アニメーション映画祭等で表彰されており、ノルウェーでは、アニメーション分野への功績が称えられ、フレドリクスタのノルディック・アニメーション映画祭や、在住しているソール・トロンデラーグ県文化局による表彰も受けている。このほか、多くの公的委員会の理事を務める。

<フィルモグラフィ及び受賞歴>
  • 『Foot play』(1981)
  • 『A Dark Afraid Story』(1984)
  • 『What Shall We Do With Little Jill?/ちいさなジルはどこへいったの?』(1987)
  •   First Animated Festival in Shanghai (中国)で受賞
  •   The International Children and Youth Film and TV Festival in Moscow (ロシア)で受賞
  • 『Wrooom!/ブルーン!』(1988)
  • 『Kiss the Cat!/キス ザ キャット!』(1991)
  •   The International Short Films Festival in Grimstad (ノルウェー)で受賞
  • 『Once Upon a Time/むかしむかし』(1992)
  • 『What a Hog!/イノシシに乾杯!』(1992)
  •   Internationale Tages des Okologischen Film (ドイツ)で受賞
  • 『Little Klirol』(1994)
  • 『Kevin Saves the World/ケビン、世界を救う』(1995)
  • 『Kevin and the Computer Game/ケビンとコンピューターゲーム』(1996)
  • 『Kevin and the Genie/ケビンと精霊』(1997)
  • 『Kevin and the Big Lizard/ケビンとオオトカゲ』(1998)
  • 『Kevin and the Boogie Woogie Man』(1998)
  • 『The Golden Bird, a Saami fairytale』(2001)
  • 『The Baker/ザ ベーカー』(2010)
  • 『The Magic time』(2013)
  •   Toronto International Animation Festival (カナダ)で受賞

フェラン ガヤート Ferran Gallart

Fumiko Magari

アートディレクター
(カタルーニャ/スペイン)

プロフィール

フェラン ガヤートは、1946年スペインのカタルーニャ州、マンレサ生まれ。
1958年から1962年、マンレサの美術学校にてドローイングと絵画を学び、学士号を取得。1963年、バルセロナのアニメーション学校に入学。1964年から1975年、ジュネーヴのスタジオLIECHTIの制作に携わり、アニメーター及び脚本家として活躍。また、300本以上の劇場・テレビ向けスポット及びコマーシャルを監督。1970年、いくつかのハリウッドスタジオで行われたトレーニングコースに参加。
1973年、映画『Quando la Paix joue avec les Hommes』を監督し、ソリュール映画祭で最優秀短編映画賞、また、1985年ローザンヌのクイック映画祭で最優秀賞を受賞。1975年から1981年、パリ、マドリード、バルセロナ、ローザンヌ、ウィーンなどヨーロッパのいくつかのスタジオの作品『The Flintstones』『Scoobydoo』『La Ballade des Daltons』『Le Baron de Munchausen』の制作に携わる。1981年以降、スイスのテレビ局、テレヴィジオン・スイス・ロマンドにて、多数のオープニング/エンディングタイトルや、アニメーション作品『Agora』『A comme Animation』『Dodu Dodo』『Imedias』『Planquez les Nounours』『Images Magies』『Bus & Co』などを監督している。
一方、1984年、Dodu Dodoというキャラクターを生み出し、コミックブック『Dodu Dodo Gagas à Gogo』(1985)を出版。アニメーションシリーズ『Dodu Dodo la Chasse au Tresor』(1986)の作者でもある。
フェランは、1990年、ジュネーヴの書籍展覧会では「Forgerons du Rêve」賞を授与され、また、国際ユーモアフェスティバル「Morges-sous-rire」では、新聞のためのベスト・ドローイングに贈られる最優秀審査委員賞を受賞。
1991年、ベルギーの公共放送局RTBF のTVシリーズ『C’Est les Rats』を監督し、1992年から1993年、同局の『Floc-Le Petit Flocon』全24話の監督を務めた。2000年及び2001年には、コミックアルバム『Zap les Gaffes』及び『Les Zap…quand ils nous la jouent quelle histoire』を出版。アルヴァールやローザンヌの映画祭では、アニメーションワークショップに参加。また、マドリードのEdition Pearsonのためのコミックブックを多数出版。テレヴィジオン・スイス・ロマンドの番組『Animaniak』『ABC』『Agendas』のオープニング/エンディングタイトルを監督。
2007年にスイスのテレビ局の活動から退いて以降、『Historia dels aliments』などカタルーニャの新聞向けのコミックの制作及び『Sala i Ricardis』や『Koalino』など書籍のイラストレーションを続けている。
シナニマ映画祭やモンストラ映画祭などの審査員を務めており、1965年より、アヌシー、ザクレブ、ソリュール、ローザンヌ、ジュネーヴ、エスピーニョ、テプリツェ、広島、リスボンなどの映画祭に定期的に出席している。

メノ ドゥ ノイヤ Menno de Nooijer

David Buob

ヴィジュアル・アーティスト
(オランダ)

プロフィール
1967オランダ、アイントホーフェン生まれ。
1986 - 1991オランダ、ティルブルフのアート・アカデミーにて彫刻と教育学の学位取得。
1991 – 1992米国ミシガン州ブルームフィールド・ヒルズのクランブルック・アカデミー・オブ・アート大学院にて、写真と映画を研究。
<フィルモグラフィ (抜粋) - ポール ドゥ ノイヤとの共同監督作品 >
2018『New Years Concert』(シュトラウス他)、ビデオプロジェクション(3 スクリーン)、93分、ライヴ演奏
2017『Over de beiaardier die in een klok veranderde』、ビデオプロジェクション(3 スクリーン)とパフォーマンス、65分、ライヴ演奏
2017『Jacob 3.0』、ビデオプロジェクション(3〜7 スクリーン)、65分、ライヴ演奏
2017『New Years Concert WIENER MELODIEN』(ブラームスとシュトラウス)、ビデオプロジェクション(3 スクリーン)、93分、ライヴ演奏
2016『Four Seasons』(ヴィヴァルディ)、ビデオプロジェクション(3 スクリーン)、60分、ライヴ演奏
2016『Gewoon Kunst』、フェスティバル予告編、3分37秒
2016『FILMFEST Dresden』、フェスティバル予告編、1分
<パフォーマンス/インスタレーション(抜粋)>
2017 – 2018『OVER DE BEIAARDIER DIE IN EEN KLOK VERANDERDE』、ライヴ・ミュージック・ビデオ・パフォーマンス、Erik Bosgraaf、Izhar Elias、Katinka Polderman、Jorrit Tammingaと共に、オランダ18ヶ所の劇場にて
2017『JACOB 3.0』、ライヴ・ミュージック・ビデオ・パフォーマンス、Erik Bosgraaf、Izhar Elias、DJ-DNA、Jorrit Tammingaと共に、オランダ、ユトレヒト及びケルクラーデにて
2017『FREUDE II』、ライヴ・ミュージック・ビデオ・パフォーマンス、Erik Bosgraaf、Izhar Eliasと共に、ドイツ、ケルンのNeue Musikにて
2017『NEW YEARS CONCERT』、ビデオプロジェクション、ドイツ、ヴュルテンベルク室内管弦楽団と共に、ドイツ、ハイルブロンにて
2016『TRAUER』、ライヴ・ミュージック・ビデオ・パフォーマンス、Erik Bosgraaf、Reijsegerと共に、スイス、ベルンの聖マリア教会およびインスにて
2016『FREUDE』、ビデオ・パフォーマンス、Erik Bosgraaf、Reijsegerと共に、ドイツ、ブレーメンのCity 46劇場にて
2016『THE FOUR SEASONS』、ライヴ・ミュージック・ビデオ・パフォーマンス、Erik Bosgraaf及び南オランダ・フィルハーモニー管弦楽団と共に、ドイツ、アーヘンのルートヴィヒ・フォーラムにて
2016『HALF THE HORIZON』、ライヴ・ミュージック・ビデオ/フィルム・パフォーマンス、オランダ、テルスへリング島のオエロル祭などにて(18回)
2015『DE VIER JAARGETIJDEN』、ライヴ・ミュージック・ビデオ・パフォーマンス、Erik Bosgraaf及び南オランダ・フィルハーモニー管弦楽団と共に、オランダ、マーストリヒトのVrijthof劇場やMuziekGieterijライブハウス、またアイントホーフェンのNatLab映画館などにて
2014『HALF THE HORIZON』、ライヴ・ミュージック・ビデオ/フィルム・パフォーマンス、オランダ、アイントホーフェンのNatLab映画館、デンボスのNovember Musicフェスティバル、フスの’t Beestコンサートホールなどにて
<コミッション作品(抜粋)>
2018『Tree of life』、長さ18mの常設サイト・スペシフィック・フォト・インスタレーション、オランダ、フリシンゲン

クリスティナ リマ Cristina Lima

Alik Shpilyuk

CINANIMA国際アニメーション映画祭プログラマー、運営メンバー
(ポルトガル)

プロフィール

クリスティナ リマは、1966年モザンビーク生まれ。1974年、8歳よりポルトガルに移り、今日まで在住。ポルト大学現代言語学および文学(英語、ドイツ語)専攻卒業。同大学院翻訳学修士。

1989年の修了とともに、クリスティナは、エスピーニョのCINANIMA国際アニメーション映画祭に勤め始める。今日まで、映画祭運営メンバーとして、国際渉外、ネットワーキング、プログラミング、カタログ制作、ゲスト調整、作品受付を担当。さらに、CINANIMAの代表として、カートゥーン・フォーラム(フィンランド)、アヌシー(フランス)、ケチケメート(ハンガリー)、メクネス(モロッコ)、ザグレブ(クロアチア)、アニマ・ブリュッセル(ベルギー)などアニメーションの国際的イヴェントや映画祭に出席している。

また、ハンガリーのKAFF(ケチケメート・アニメーション映画祭)の国際審査委員を務め、リミニ(イタリア)のカートゥーン・クラブでは国際審査委員を務めるとともにポルトガルのアニメーション・プログラムを上映。
ポルトガル映画・視聴覚インスティテュート(文化省)短編アニメーション制作資金援助部門評議員。

長尾真紀子 Makiko Nagao

Olivier Catherin

アニメーション制作、普及、研究
(日本)

プロフィール

1985年、慶應義塾大学民族学考古学専攻卒業。在学中の同年2月、木下蓮三・木下小夜子の(株)スタジオロータス入社。特に短編アニメーションの世界に魅了され、今日まで、木下小夜子の秘書・助手として、主に短編アニメーション作品の制作、普及、上映プログラム企画制作等のマネージメントを務めている。国内外の国際映画祭、美術館、テレビ局等のためのアニメーション・プログラム制作に多数携わっている。

作品制作においては、スタジオロータス作品『ゲバゲバ笑タイム』(1986年)、『無想』(1988年)、『最後の空襲くまがや』(1993年、埼玉県平和資料館常設上映作品)、『ひろしくんは空がすき』 (1994年、芸術文化振興基金助成作品)、『琉球王国 - Made in Okinawa』(2004年、芸術文化振興基金助成作品)等の制作マネージメントを担当。

アニメーション芸術文化振興のための活動として、広島国際アニメーションフェスティバルでは、1985年の第1回映画祭から今日まで、木下小夜子フェスティバル・ディレクター秘書として運営全般に携わっている。1990年よりプロジェクト委員を歴任し、主に上映および展示プログラム企画制作を補佐。2013年より、フェスティバル実行委員も歴任。

仕事や活動と共に、現代アートの枠組みにおけるアニメーションの理論的研究を志ざし、主にアニメーションにおけるドキュメンテーションの可能性について研究している。2014年より、女子美術大学大学院芸術表象研究領域、杉田敦研究室にて学び、2016年、修士論文「アニメーションによる社会的・歴史的事象への言及の可能性について: 『ピカドン』の考察を中心に」を提出。同年、女子美術大学創立者横井・佐藤記念特別奨学金授与。現在、同大学院博士後期課程在籍。
2017年、論文「アニメーションにおけるドキュメンテーションの可能性:アニメーテッド・ドキュメンタリー研究史を概観して」 (女子美術大学研究紀要第47号)。同年、オランダ・ナイメーヘンのRadboud大学での国際学会“Animation and Memory”にて研究発表「A Possibility of Documentation in Animation: A Comparative Study of an Animation Short PICA-DON and Artworks of Other Genres Referring to Social/Historical Issues」。 2018年、論文「「出来事の〈概要〉」を提示するアニメーションの潜在的可能性: アニメーションと他の表象との比較考察」(女子美術大学研究紀要第48号)。

日本アニメーション学会(JSAS)会員。国際アニメーションフィルム協会日本支部(ASIFA–JAPAN)事務局長。